米国航空宇宙局(NASA)・ジェット推進研究所(JPL)は2021年1月、開発中の宇宙望遠鏡「SPHEREx」について、本格的な設計、製造段階に入ったとの事。
打ち上げは2024年夏以降の予定で、近赤外光を使って全天を観測し、宇宙が誕生した直後の急速な膨張の謎や、銀河形成の謎、生まれたばかりの惑星系に水や有機分子がどのように含まれたか、生命はどのようにして誕生したのかなどについて解明することが目的。
SPHERExとは?
SPHERExはNASA/JPLが開発している宇宙望遠鏡で、自動車ほどの大きさをもつ。人間の目で見える可視光のほか、それよりも数倍長い(周波数が低い)波長の近赤外光を検出できる装置をもち、天体をさまざまな波長や色に分解して観測することができるらしい。天体を構成する化学元素は、それぞれ特定の光の波長を吸収したり放射したりするため、それを分解して分析することで、その天体がどんな物質で作られているかが分かり、地球からの物体の距離を推定する事もできるらしい。NASAにとって、近赤外の全天分光マップを作成するミッションは初めてとなり、とくにSPHERExは、近赤外光を102色に分けて分光観測することができる優れた能力をもちSPHERExのプロジェクト・マネージャーを務める、JPLのAllen Farrington氏は、「これまでは白黒の画像しかありませんでしたが、SPHERExでは豊富なカラー画像が取得できます。これはたとえるなら、カンザスからオズの国へ行く、『オズの魔法使い』のような壮大な話です」と語る。
この特徴を活かし、SPHERExは2年間のミッションの間に全天を4回観測。3億個以上の銀河と、銀河系(天の川銀河)にある1億個以上の星、星雲など、さまざまな天体のデータベースを作成。宇宙が誕生した直後に起きた急速な膨張や、若い惑星系の組成、銀河の歴史などの研究に役立てられるらしい。
また、その宇宙の地図は、NASAが開発中のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や、ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡などが観測する、ターゲット天体の選定にも用いられるとの事。
SPHERExは、2019年2月にNASAの計画として選定され、予備設計を開始。そして今回、その予備設計が承認されたことで、「フェイズC」と呼ばれる段階に入り、最終的な詳細設計や、ハードウェアやソフトウェアの構築に向けた作業が始まることになるみたいです。
開発はNASA/JPLが主導し、また米国の10の大学や研究機関、韓国天文研究院(KASI)も参画している。製造は米国の航空・宇宙メーカーのボール・エアロスペースが担当し、打ち上げ時の質量は178kgで、望遠鏡を低温に保つため、大きな傘のような太陽シールドを持つことを特徴としている。開発費は、なんと2億4200万ドル(打ち上げ費用を除く)となっている。
日本円で?250億?!僕に下さい!!
打ち上げは2024年6月から2025年4月までの間に行われる予定で、ミッション期間は2年が計画されているとの事です。ホリエモンのロケットチームも負けてられませんな(*’ω’*)